隣人たち – 2026年7月24日(金)公開

 アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャンスティンという人気、実力を兼ねるアカデミー賞俳優による共演作。

アンは『プラダを着た悪魔』(26)に続いての日本公開作品で、製作は2024年。アン・ハサウェイの映画はこのあとも『オークストリートの異変』(26)、『オデュッセイア』(26)と公開が続く。

 原作は、バーバラ・アベルの小説をオリビエ・マッセ=ドゥパス監督が映画化したベルギー映画「母親たち」(18)。

 監督、撮影はアン・ハサウェイとは『ワン・デイ 23年のラブスーリー』(11)で撮影監督して組んだブノワ・ドゥロームである。映画監督としては、本作がデビュー作となる。

 上質のサイコサスペンス映画に仕上がっている。

 アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャンスティンという人気、実力を兼ねるアカデミー賞俳優による共演作。

アンは『プラダを着た悪魔』(26)に続いての日本公開作品で、製作は2024年。アン・ハサウェイの映画はこのあとも『オークストリートの異変』(26)、『オデュッセイア』(26)と公開が続く。

 原作は、バーバラ・アベルの小説をオリビエ・マッセ=ドゥパス監督が映画化したベルギー映画「母親たち」(18)。

 監督、撮影はアン・ハサウェイとは『ワン・デイ 23年のラブスーリー』(11)で撮影監督して組んだブノワ・ドゥロームである。映画監督としては、本作がデビュー作となる。

 上質のサイコサスペンス映画に仕上がっている。

 1960年代前半のケネディ政権下のアメリカ郊外の住宅地。隣り同士の住宅にアリス(ジェシカ・チャンスティン)とセリーヌ(アン・ハサウェイ)が家族と住んでいる。

 映画が始まると芝生の中に救急車のミニカーがある。アリスは2階の窓からのぞいている。隣家の庭ではセリーヌがバラの花束を持ち歩いている。階段を下りたアリスは、またその様子をのぞいている。

 セリーヌの運転する後部座席には、小学校低学年のセリーヌの息子マックス(ベイレン・D・ビエリッツ)とアリスの息子テオ(イーモン・オコンネル)が仲良く座っている。

 アリスは、車が出て行ったのを見届けると、合鍵を遣ってセリーヌの家の中へ入る。部屋のカーテンを閉めてゆく。そして戸棚からナイフを取る。

 一方、アリスの方は駐車場で父兄に挨拶をしている。妊婦のお腹を触ったりする。マックスとテオはテーブルについている。そして「ママ!」とマックスが叫ぶ。「驚かそうと思ったのに」といい、「うちの庭に落ちていた」と救急車のミニカーをテーブルに置く。テオの玩具だ。

 二人は工作で鳥の巣箱を作っていた。帰りの自動車の中では、子どもたちと歌を歌うセリーヌ。自宅へ着く。子どもたちを追いかけて、セリーヌが家へ入る。そこにタイトルが出る。

 ドアを閉め、「ちゃんと手を洗うのよ」と言い、子どもたちは二階へ駆け上がる。窓を見るとカーテンが開いていて、不吉な音楽と共に不思議そうに恐々カーテンを開けると、アリスを中心に男女が「お誕生日 おめでとう!」。セリーヌは驚き、アリスに抱き着く。

ヒッチコックタッチの怖がらせ方だ。アリスがナイフを持っていたのは、パーティのためだったのだ。

 パーティには、アリスの夫サイモン(アンデルシュ・ダニエルセン・リー)、セリーヌの夫ダミアン(ジョシュ・チャールズ)、それにサイモンの母親ジーン(キャロライン・ラガーフェルト)もいる。ジーンは、ジャンパンで心臓の薬を飲む。そして皆からのプレゼントだと、アリスが代表してセリーヌに真珠の首飾りを贈る。

 アリスのテオに関しての過干渉ぶりなどが少し描かれ、彼女が元記者で仕事に焦がれていることも分かり、セリーヌにはもう子どもが出来ないことも暗示される。

 ある日、アリスが庭の手入れをしていて、ふと隣家のベランダを見るとマックスが柵の上に立ち、学校で作った巣箱を隣接する木に備え付けようとしている。慌てたアリスは隣家へ駆け込む。セリーヌは掃除機をかけていて、気がつかず、アリスが二階へ駆け上がったので慌てて後を追うと、呆然としてベランダに立ち尽くしているアリスの姿。マックスは、落下して亡くなる。

 マックスの葬儀で、彼の棺にテオが大事にしているウサギのぬいぐるみがあり、テオがパニックになったりする。

 一か月後、小学校の学芸会に子供を亡くしたセリーヌが現われ、彼女はテオにだんだんと執着してゆき、親友同士の家族の歯車が狂いだす――。

 60年代のファッションと風俗、そして映画としての時代に沿った照明が凝っている。

 ヒッチコック作品『裏窓』(54)のように、隣家ののぞきから始まり、小道具などの細かい伏線の遣い方も上々。

 夜にアリスがセリーヌと並んで煙草を吸いながら独白する場面などは、ふたりの名優ぶりを味わえる。

 静かに物語が進行し、時に静かに斜め上からの映像が入ったりする心理サスペンスの秀作だ。

戸田学